皮膚科診療内容

   

 ニキビ(ざ瘡)

 皮脂の過剰な分泌などによって顔などの毛穴が詰まってしまい、内部に細菌が増殖して炎症を引き起こす病気です。 抗生物質の塗り薬や内服薬が効果的です。その他、毛穴の詰まりを取り除く効果がある「ディフェリンゲル」、 それに加えニキビの原因菌を殺菌する「ベピオゲル」、強力な殺菌効果のある「デュアック配合ゲル」、 難治性のニキビに用いられる「エピデュオゲル」などがあります。症状や肌質によって治療薬は異なります。 まずお気軽にご相談にください。

 粉瘤

 粉瘤(ふんりゅう)とは良性皮膚腫瘍の一種で、皮膚の下に袋状の構造物(嚢腫)が生成され、 その中に角質や皮脂など、本来は皮膚から剥がれ落ちるはずのものが溜まることによって生じます。 化膿を起こして炎症性粉瘤になった場合は、炎症を抑える目的で抗生物質によって症状を鎮静化させることがあります。 化膿が進行していると切開手術が必要になります。小さい病変で炎症のないものは、当院で手術日を予約の後、摘出術を行っていますが、 近隣の病院の形成外科に紹介させていただくこともあります。

 蜂窩織炎

 蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、原因菌が皮下の深いところに入り込むことによって起こる感染症ので、 真皮深層から皮下組織・筋膜という深い部分で生じる急性化膿性炎症です。 主な原因菌は、黄色ブドウ球菌と化膿レンサ球菌の2種類です。抗生物質の内服や点滴治療を行います。

 虫刺され

 虫刺されは、昆虫に咬まれたり、刺されたり、毛虫や蛾などの体毛に触れたりすることで起こる皮膚炎の総称です。 主にステロイド外用剤で治療を行います。かゆみが我慢できないほどであれば、内服薬や注射の対応もしています。 マダニに刺された場合は特に注意が必要です。虫体を除去せずにそのままの状態で早めに来院してください。

 蕁麻疹(じんましん)

 蕁麻疹は一時的に皮膚が赤みを帯びて腫れ上がることをいい、多くは痒みを伴います。 直接の誘因がある場合にはアレルギーの原因となるものを特定し、それをさけることで治療や予防となります。 また、アナフィラキシーショックや気道浮腫により命にかかわることも念頭においておく必要があります。 慢性蕁麻疹など誘因がわからない場合には、まず抗アレルギー薬の内服を行うことで症状がでることを予防していきます。

 単純ヘルペス(口唇ヘルペス、陰部ヘルペス)

 単純ヘルペスウイルス感染症は、HSV-1型または2型ウイルスが皮膚や粘膜に感染して起きる皮膚疾患です。 皮膚や粘膜に感染して、発熱・痛み・痒みなどを伴う水疱やただれを起こします。 抗ウイルス薬であるバラシクロビル(バルトレックス)、ファムシクロビル(ファムビル)、 アメナリーフ(アメナメビル)の処方が中心となります。また、塗り薬としてビダラビン(アラセナ-A軟膏)を使用します。 当院では、単純疱疹ウイルス検査キット「デルマクイックHSV」が保険適用で確定診断できます。 また患者自身の判断で薬の服用を始められるPIT(Patient Initiated Therapy)や、 再発を繰り返す陰部ヘルペスで抗ウイルス薬を毎日服用する再発抑制療法も行っています。

 帯状疱疹(たいじょうほうしん)

 帯状疱疹は、体の神経が分布している部位に沿って帯状の赤い発疹ができ、強い痛みを伴うウイルス性の疾患です。神経は左右、 体に沿って分布しているため帯状疱疹では左右どちらか帯のように症状がでるのが特徴です。 水ぼうそうの原因である水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因です。ウイルスが神経節に潜伏しており、 後に再活性化することで帯状疱疹にかかります。再活性化のきっかけは主に免疫機能の低下です。 当院では、水痘帯状疱疹ウイルス検査キット「デルマクイックVZV」が保険適用で確定診断できます。 治療は、痛みの緩和と皮膚の回復、重症化・後遺症を防ぐために、抗ウイルス剤であるアメナリーフ、ファムビル、 バルトレックスなどの内服薬を処方します。 50歳以上の人を対象に、帯状疱疹予防としてのワクチン接種が可能になりました。生ワクチンのほか、 免疫機能が低下している人でも受けられる不活性ワクチンもあり、選ぶことができます。 お気軽にお声がけください。(費用7000円〜22000円)

 きず(創傷)・やけど(熱傷)

 けがをしたときには切り傷や刺し傷、擦り傷などさまざまな傷の状態があります。感染症に注意しながら、 ドレッシング剤やガーゼ包帯保護などの処置を行って、できるだけきれいに治すようにしていきます。

 巻き爪・陥入爪(かんにゅうそう)

 爪の全体がロール状に湾曲する症状のことです。爪の両側または片側が内側に巻き込んでいる状態ですが、 痛みや出血、炎症がなければすぐに治療をする必要は特にありません。食い込んだ爪の先は肉芽種様に盛り上がって炎症を起こし、 圧迫すると爪の先が刺さって強い痛みが出ることがあります。また、傷口ができると細菌感染や化膿を起こす場合があり、 抗生物質の外用や内服によって治療をします。 当院では、爪矯正具巻き爪マイスターと爪を柔らかくし矯正治療を助けるリネイルゲルを用いたワイヤー矯正治療も行っています。 (自費診療で11770円)

 多汗症

 多汗症は発汗する部位によっても「全身性多汗症」と「局所性多汗症」とに分けられています。 局所性多汗症は、汗腺が密集しているワキの下、手の平、足の裏などの発汗が異常に多い場合を言います。 日常生活に少しでも支障があれば治療対象となります。液状の塗り薬のほか、ワイプタイプの薬、内服薬などが処方できます。 これらは保険適応ですので安心してご相談ください。

 魚の目・たこ

 足の魚の目・たこは日常的に外部からの刺激や圧迫が加えられることで、ゆっくり徐々に角質が硬く厚くなっていき硬い芯ができます。  キュレットという特殊なメス刃を用いて削り処置をおこないます。通常は1〜2か月おきの通院で痛みなく過ごせるようになります。  足の裏の場合は、ウイルス性のいぼと外観が似ているので、ダーマスコピーを使って正確な診断を行うことをおすすめします。

 いぼ

 「いぼ」にはウイルス性疣贅(ゆうぜい)、高齢者に多い脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)、 首や脇のしたなどにできる軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)という柔らかいできものなどがあります。 脂漏性角化症は皮膚の老化によってできる褐色のいぼで、老人性色素斑(シミ)とは違ってやや盛り上がりのあるのが特徴です。 治療は、いぼの性質によっても異なりますが、脂漏性角化症では、切除や液体窒素を用いた冷凍療法を行います。ウイルス性疣贅の場合は、 液体窒素を用いた冷凍療法が必要になります。難治の場合、液体窒素療法の痛みを避ける場合にはモノクロロ酢酸外用による治療も行っています。 水いぼの場合は、ペンレスという麻酔のシールを貼ってからピンセットで摘除しますのでほぼ痛みがなく小さなお子様でも大丈夫です。 ハトムギの成分である内服の漢方薬ヨクイニンを服用することで免疫力を高めて改善をはかることもあります。

 水虫(白癬)

 主に4つのタイプに分けられます。
1.趾間(しかん)型:足のゆびの間の皮膚が白くふやけたり、皮がむけたり、じくじくしたりする。
2.角質増殖型:足裏の皮膚が乾燥して分厚く、かかとなどが硬くなりひび割れを伴う。
3.小水疱型:小さな水ぶくれや軽い発赤が足裏にできる。趾間型と小水疱型は強い痒みもある。
4.爪白癬:爪がボロボロにもろくなる。分厚くなり白く混濁するような爪になる。
水虫の原因は白癬菌というカビの一種です。治療は抗真菌薬の外用薬や内服薬が有効です。 外用薬は、爪への浸透性の低さが弱点でしたが、しっかり透過する爪白癬に保険適応のある外用薬が使えます。

 しもやけ(凍瘡)

 寒い冬のシーズンや寒冷地域にいるとき、冷えによって血液循環が悪くなり、主に手足や耳などの組織が炎症を起こす症状です。 治療には、ビタミンEの外用薬・内服薬が用いられます。保湿力が高く、 乾燥や刺激から皮膚を守る効果のあるユベラ軟膏(ビタミンA、E配合)やヒルドイド系(ヘパリン類似物質)の外用薬を患部に塗ります。 保温をすることも大切です。

 湿疹・手湿疹

 治療の基本は原因となる物質を回避することです。そのうえで、ステロイド外用、保湿剤を用いて治療をおこなっていきます。 かゆみが強い時は抗アレルギー薬の内服を行います。

 接触皮膚炎(かぶれ)

 刺激となるものが皮膚に接触することで炎症がおき湿疹ができることをいいます。 ヒリヒリした感じや痒みもあります。接触皮膚炎の原因を調べるためには問診とパッチテストが重要になります。 パッチテストの際には、かぶれの原因と考えられるもの(化粧品など)を持参していただきテストをおこないます。 原因となるものの特定と、ステロイド外用剤での治療を並行して行います。

 アトピー性皮膚炎

 アトピー性皮膚炎は、「アレルギー素因」を持った体質であること、 そして皮膚のバリア機能が弱いことをはじめとした臓器の過敏な状態が関わっているとされています。 血液検査による、アレルギー検査では、アレルギー症状を起こしやすい39種類のアレルゲンを1度の採血で検査が可能です。(保険適応です) 治療については、保湿剤などによるバリア機能の改善、ステロイド外用剤や抗アレルギー剤の内服が中心です。 次々に新薬が登場するのがアトピー性皮膚炎の治療薬の特徴です。JAK(ジャック)阻害薬や生物学的製剤の治療にも対応しています。

 掌蹠膿疱症

 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは、手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)を中心に膿のたまった皮疹(膿疱)が 多数みられる慢性疾患のことです。ステロイド剤やビタミンD3の軟膏を外用する方法がまず行われます。 ステロイドは炎症を抑える作用、ビタミンD3は皮膚の新陳代謝をととのえて正常な皮膚にしていく働きがあります。 もし外用薬だけでは改善効果が芳しくない場合、チガソン(エトレチナート)、シクロスポリンなどの内服薬を処方します。

 尋常性乾癬

 乾癬(かんせん)とは、皮膚が赤くなり、盛り上がったところにフケのようなカサカサした白いかさぶた(鱗屑りんせつ)ができる皮膚病です。 乾癬の原因は、まだすべてが明らかになっていませんが、遺伝的に乾癬になりやすい体質があることはわかっています。 しかし、遺伝的な要因をもつ人すべてが発症するわけではなく、不規則な生活や食習慣、喫煙、ストレス、 肥満などの環境因子が重なることで発症すると考えられています。乾癬の基本となる治療は、生活改善と、 ステロイド外用剤や活性型ビタミンD3製剤です。ステロイドとビタミンD3製剤の合剤(マーデュオックス、ドボベット)が多く使われています。 重ね塗りする手間もなく使いやすい薬です。頭皮の乾癬についてはコムクロシャンプーという薬が使いやすいです。 外用剤での治療が難しい場合には、レチノイド製剤(チガゾン)、PDE4阻害剤(オテズラ)、免疫抑制剤(ネオーラル) など飲み薬での治療があります。JAK(ジャック)阻害薬や生物学的製剤の治療にも対応しています。

 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん、頭部のフケ症)

 脂漏性皮膚炎は、白色のフケや鱗状の乾いたフケの固まりができる皮膚疾患で、頭皮や髪の生え際、顔、わきの下、胸や背中、 股間など皮脂の分泌が盛んな部位(脂漏部位)でよく見られます。患部が赤くなったりするケースもあります。 真菌(カビ)などが増えていないことを確認してからステロイド外用剤、コムクロシャンプーというシャンプータイプの薬などで治療を行います。

 円形脱毛症

 円形脱毛症のはっきりとした原因はわかっていませんが、脱毛部分で自身の免疫機能が異常な働きをしていると考えられています。 治療の第一選択はステロイドの外用薬です。フロジン液(カルプロニウム塩化物)を使用することもあります。 難治性で、最近保険適応となったJAK阻害剤(バリシチニブ、リトレシチニブ)の治療を要する場合は総合病院に紹介させていただきます。

 男性型脱毛症(AGA)

 アンドロゲン(男性ホルモン)による脱毛症を意味します。主に成人男性に特徴的な進行性の薄毛のことで、 日本人男性の3人に1人がAGAだと言われているほど一般的な症状です。ザガーロ(デュタステリド)、プロペシア(フィナステリド)の内服薬を処方します。 費用は1か月分が約6000〜10000円程度です。ジェネリック薬を選択することで費用を抑えられます。 フロジン液(カルプロニウム塩化物)を使用することもあります。

 お顔のシミ、シワなど(エイジングケア)

 お顔のシミには様々なものは含まれています。年齢とともに増えてくるシミには、 ハイドロキノン軟膏やトレチノインゲルなどの塗り薬を当院の薬剤部で調合して処方しています。 トレチノインは目のまわりのたるみや小じわの改善にも効果が期待できます。塗り薬は濃度によって薬価が異なりますが、 標準的濃度5gで500円前後です。肝斑という女性のシミには内服薬(シナール、トラネキサム酸)も処方しています。

 ドクターズコスメ

 当院ではNOV(ノブ常盤薬品)、セルニュープラス、グラファ メラノキュアなどのスキンケア製品の紹介と取り扱いを行っています。 ピーリング石けんや美白・美容化粧品などのご相談に応じています。サンプル試供品もありますのでお気軽にお声がけください。


サイドメニュー

このページのトップへ